話題の103万の壁！この話題について会話ができますか？
今話題の「103万の壁」いざ、この話題を振られても雰囲気でしか会話ができなかったり、相槌を打つだけになったりしていませんか？
この記事を読んで「103万の壁」に対する色々な考え方を知り、このテーマについて自信をもって自分の意見を話してみましょう。
- 「103万の壁」とは？
- 「103万の壁」の撤廃や上限額の引き上げに対して積極的な立場の考え
- 「103万の壁」の撤廃や上限額の引き上げに対して消極的な立場の考え
- 筆者の考えとその理由
※このブログは言葉の意味や用語を正しく厳密に解説するブログではありません。
103万の壁とは？
「103万の壁」とは、配偶者（この記事では妻を想定）や扶養家族（子）が年間103万円を超えて収入を得ると、妻や子の収入に所得税が発生したり、夫が受けられる控除がなくなり、夫の収入が減ってしまうと考えられている仕組みのことです。
つまり、多くの人は家計の中心人物（今回は夫）以外が103万円以上の収入を得ると、夫の手取りが減ったり、妻や子が課税されてしまうと考えているのです。
※この説明は控除が外れたり課税が始まったりする金額（103万、130万 など）やそれぞれの税金、控除の名称、仕組みなどを正しく使用しているわけではありません。あくまでも多くの人にとってこのようなイメージになっているという説明であることをご理解ください。
それでは、この103万の壁を撤廃したり、金額の上限を引き上げたりすることについて積極的な人、消極的な人のそれぞれの考えを見ていきましょう。
壁の撤廃に積極的な立場の考え：壁をなくすとこんな良いことが！
「壁をなくしたほうがいい」という人たちの主張として「働く意欲が高まる」「家計全体の収入が増える」「人手不足を解消することができる」などの理由が挙げられています。それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
働く意欲が高まる
時間や体力的にはもっと働く余地のある人でも、壁を越えることで支払う税金が増えたり、パートナーや親の控除がなくなってしまうのは嫌ですよね。
家計全体で見たときに損になるのであれば自分の収入を103万円以下に抑えようかなという気持ちが出てくるのも分かります。（働いた分だけ損をした気持ちになってしまいますからね。）
「働く意欲が高まる」という主張には、このような「本当はもっとたくさん働けるけど…」という人たちが103万の壁を無くすことで、上限を気にせず目一杯働きたい思えるようになるという意図があるのです。
さらに、働く量や時間に制限がある場合、どんなに良いアイディアや改革案を思いついたとしても「どうせ最後までやりきれないから…」と働いている際のモチベーションまで下がってしまいます。
このような視点から考えると壁を撤廃することには労働中の意欲を向上させる効果もあるのではないかと考えられているのです。
つまり、今までなら「これ以上働いたら壁を超えて損しちゃう。」「何かを始めても最後までやりきれないから…」と思っていた人が、「壁を気にせず働けるなら、もっと収入を増やしたい！もっと積極的に仕事に臨みたい！」と考えようになると考え、「働く意欲が高まる」と主張しているわけです。
家計全体の収入が増える
これはそのまま、文字通りの意味です。
これまで配偶者や扶養されていた子どもたちは103万円以上稼ぐことは損であるというイメージがあったため、103万円付近で働き控えをする人が多くいました。
筆者：東京大学 社会科学研究所 教授 近藤 絢子
しかし、壁が撤廃されたり上限が引き上げられたりすると103万円を越えて稼いだ分がそのまま家計に入れられるようになります。
その結果、各家庭の生活が豊かになり、暮らしに余裕が出てきます。
さらに、家計に余裕が生まれ、消費活動が活発になることで社会全体の景気が良くなったり、消費税や法人税など別の形で税収が増えることにも繋がるのではないかと期待されているのです。
人手不足を解消することができる
103万円の壁がなくなると、なぜ人手不足が解消されると考えられるのか。
それは、今まで「壁」のせいで働く時間を制限をしていた人たちが、時間を気にせず働けるようになるからです。
「壁を超えると税金が増えるから、これ以上働くのはやめておこう」と思っている人はたくさんいます。
このマインドから「シフトを増やしても大丈夫！」「もう少しバイトの時間を増やそう！」というマインドに変えるだけで現在人手不足の職場、職業でも人材の確保ができる可能性があるのです。
例えば飲食店や小売店、介護施設などで、働く人が増えることは現場の負担が減ることにも繋がります。
現場の負担が減れば、職場内の休暇の取りやすさにも繋がったり、サービスの質の向上につながったりすることが考えられます。結
果としてより多くの人たちの豊かさに繋がると考えられているのです。
壁の撤廃に消極的な立場の考え：壁をなくすとこんな心配が…
一方で「壁をなくしてしまうのは心配だ…」という人たちの主張としては「税収が減ってしまう」「労働時間が伸びてしまう」「社会全体の価値観の変化」などの理由が挙げられています。
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
税収が減ってしまう
103万円の壁をなくし、各家庭の税負担を減らすということは、国の税収が減るということです。
知っての通り、公共サービスや様々な補助金には税金が使われています。現在の行政サービスの質や内容が低下しても構わないから壁を無くして欲しい。という考えであれば問題はないのですが、多くの人の本音はそうではないはずです。
今のサービスそのままに、壁だけをなくして欲しいということは、どこからかサービスを維持するための財源を確保しなくてはならないのです。
その結果、社会保障費が上がったり、違う形で課税されたり、課税する対象に偏りが出てしまったりするなどの問題が予想されます。
それならば現状の103万円の壁を大きく変える必要はないのでは？と考えられているのです。
労働時間が伸びてしまう
壁がなくなることで、「もっと働ける！稼げる！」と感じる人が増える一方、家庭内での時間が減ることや個人の時間が失われることが予想されます。
例えば、１日１時間働く時間を増やせば、家事や育児をする時間が１時間失われます。また、働きすぎによる疲労やストレスで、体調を崩したり、コミュニケーションが不足し家族関係に悪影響を及ぼす可能性もあります。
経済的に豊かになるメリットと時間的な余裕がなくなるデメリットを比べた際に、長い時間働けるということは本当に幸福度を高めてくれるのかという疑問が生まれると考えられているのです。
103万円の壁があることでオーバーワークの危険性があった人たちにもストップをかけられていたのに、無理な働き方を抑制してくれる明確な理由がなくなることで過労やストレス、人間関係の悪化を招いてしまう人が増えてしまうことを心配していのです。
社会全体の価値観の変化
103万円の壁がなくなれば、暮らしに余裕を持たせたい人や家計のやりくりに悩んでいる人たちの中で「収入を増やすためにはできるだけ多く働くべきだ」と考える人の割合が増えていくと予想されます。
これにより、家事や育児、あるいはプライベートを優先したい人たちは「働かない選択」をした際に「お金に困るのは自分が働いていないからだ」「子どもはどこかに預けて働きに出れば暮らしが楽になるのに」という社会通念によって苦しむことになるのではないでしょうか。
時間いっぱい働くことを推奨する空気ができるということは「少しだけ働きたい」「家庭を優先したい」という多様なライフスタイルが認められにくくなり、結果的にストレスを感じる人が増え、心の豊かさが社会全体から失われる可能性があると考えているのです。
筆者は壁の撤廃には消極的な立場です！
私自身は、103万の壁をなくすことについては消極的な立場です。 もちろん経済的に余裕がない家庭や労働力不足の職場にとって「103万の壁」が大きな障壁になっていることも理解しています。
それでも私個人としては、今、壁を撤廃することで「少しでも多く働きたい」と考える人が世の中の多数派であるという空気感を作って欲しくないのです。
これは103万円の壁に限った話ではありませんが、女性の職場復帰の推進や育休中のリスキリングなど、とにかく最近の風潮として家庭のことは早めに手放して自分のキャリアや収入を増やしたいと考えている人をターゲットにした政策や話題が多いように感じます。
そのような考え方を否定するわけではありません。
しかし、一方で家庭に軸足を置き子供の成長を近くで見守ったり、パートナーの帰りをゆっくり待ったりしたいと考える人たちの肩身が狭くなっているように感じます。
家計の中心人物が1人で稼ぐ収入では生活が成り立たなくなっていることは重々承知です。
それでも私はフルタイム前提の共働きや学生の過剰なアルバイトという手段を選ばなくても、どの家庭も理想の思うような暮らしができるような方法や政策を考えてほしいのです。
夫婦は共働き、学生はアルバイトが前提の社会にならないようにする為にも、私は安易に労働促進の流れを作って欲しくないなと考え103万の壁の撤廃には消極的な立場を取りたいと思っています。
5. あなたはどう思いますか？
さて、このテーマについてあなたはどのように考えますか？
大まかな内容やそれぞれの立場での意見を知った上であなたはどのような考えになったのかをコメント欄で教えて欲しいなと思います。
それでは、また別のテーマで会いましょう。
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